さて、ようやく、雨宮源一郎氏が連行されましたね。これ で全てテロにまつわる事件は終結したと見ていいのでしょうか?』
被害状況も警察が把握している以上にあるかもしれませんし、これからが大変でしょうね。私は知っている事を全て警察に話しました。これからは、当事者として、被害者の一人として、そして政治家牧海人として東雨宮テロ計画事件被害者の会」を設立することにしました。何かお困りの事がありましたら、被害者の会にご相談ください!』
牧の言葉を継ぐように、被害者の会の相談ホットラインの電話番号とメールアドレス、ホームページのURLのテロップがあらわれた。
放心しながらその様子を眺める葉月。
葉月」
ザンに呼ばれてそちらを見ると、ザンが葉月に受話器を差し出して来た。
…もしもし」
ああ、葉月?」
栄太 …さん?大丈夫ですか?!」
ああ、計画通り、ひとまず終ったよ。敦さんも無事だし、お爺さまに怪我もないからひとまず安心してくれ」
おつかれ、様でした…。ありがとうございました…。ごめんなさい」
何を謝っているんだ?敦さんの判断は正しいよ。キミは来なくて正解だったよ。肉親のあんな姿を見るのは、正直辛かったと思うよ。…源一郎氏は事前にこうなることを予測していたんだろうね。爆弾がいくつも仕掛けられていてね。交渉中にほとんど爆発物処理班が撤去したんだが、お爺さまの書斎に二つ残っていたんだ。」
それで爆発が…」
ああ。でもタイミングも悪かったし、脅し程度の威力だったから、大した被害じゃなかった。俺たちもかすり傷は負ったが、重傷者はいないから大丈夫だ。」
栄太の優しい声を聞きながら、また葉月の双眸から涙があふれる。
栄太さん…。敦は…」
しばらく事後処理で忙しいみたいだから、待つしかない」
そう…ですか…脫毛機價錢
葉月。信じるんだ。自分を。自分の決断を。」
決断を?」
自分が幸せになれる道を模索して、そして選ぶといい。誰もキミを責めないよ。キミはよく頑張った。もうキミも東雨宮から解放されていい時期だ。」
葉月はその言葉に、ザンを見た。
ザンも静かに葉月を見返す。
あっけない幕引きに、全てが終った実感はなかった。
電話を切り、葉月とザンは抜け殻のように呆然とテレビの画面を見つめていたのだった。