とジンナイの迫力に圧倒され、ひと呼吸置くようにしてそう聞き返すジェシカに、
今週末、少なくとも今度の日曜日中に???オマエにはトウキョウから離れてほしい。
それもまあ、そうだなあ???、少なくとも名古屋、それよりも南西方面、もしくは海外にだ」
とその鋭い眼光を維持したままジンナイはそう言った。

そ、それって???」

そう言ってジェシカが数秒ほど視線を何処へともなく泳がせ、その後に再びジンナイに何かを聞き返そうと彼女が口を開いた瞬間、
ユナのことは俺の方でなんとかする。
だからオマエは???、いいか、これは???」
と言い、そのままジンナイは口ごもった。
それでもその意図は十分すぎるほどにジェシカには伝わっていた。

そしてそのまま重なったふたりの目線はフリーズし、３秒間ほど動くことはなかった。
それはそうとさあ、福島は大分やばいみたいね」
と今度はいきなり原発方面の話題へとマキが振ってくる。

ええ？」
地震の翌日以降の水素爆発でさあ、放射能、やっぱ大分大気に放出されたみたい。
核燃料のメルトダウンはもう確定的みたいだね。
もう当分放射能のダダ漏れ状態も止められないみたいだし、ネットじゃあ首都圏の存続すら危ない？ぐらいに言われてるけど」
とマキのヤツ、今度もまた誰かのツイッターからの情報か？

放射能ねえ」
これからはほら、花粉情報みたいに全国放射能情報なんてのがニュースで流れ出すんだよ」
なんて呑気にナカバヤシはそんなことをほざいている。
いや、マジでそうなるんじゃないかなあ。
まあ、それにしてもあの政府の対応はやばいよね。
後で絶対刺されるのは見え見え。

何もかもすべて後手後手って感じだし、だいたいあの原子力保安委員とか安全員とかの言ってることがバラバラじゃない！」
とまあやや手厳しいマキの言い分ももっともだ。
まあ、今後東電への風当たりは強くなるだろうなあ。
これだけリスクがあることがクリアになった以上、少なくとももう今後原発の拡大は無理だろうね」
なんて言うわたしの生温い発言に、
いや、正直原発はもう撤廃の方向でしょう。